労働者の賃金や労働時間は、基本的には事業主が決めることができます。しかし、だからといって好き勝手に決めることはできないことになっています。なぜなら、労働基準法や最低賃金法、労働安全衛生法等といった法令によって労働の最低条件・最低基準が定められているからです。なぜ、法令によって労働の最低条件・最低基準が定めれているのかというと、労働災害の事故や職業病が起こらないようにするためです。

つまり、労働者を守るために最低条件・最低基準が定められているのです。法令で定められている以上、事業主は労働者の賃金や労働時間を法令に従って決める必要があります。しかし、営利を最優先にしている事業主ですと、法令を無視して決めている場合があります。また、法令に従って決めていたとしても、実際には実行されていない場合もあります。これが、俗にいうブラック企業です。

労働者は雇われの身ですから、弱い立場です。ですから、違法な賃金、労働時間であっても、そのことを改善するように訴えるのは困難な状況です。
 
そういった状況を改善する立場にあるのが、労働基準監督署です。労働基準監督署は、事業場が法令に従った健全な運営が行われているか監督している厚生労働省の出先機関です。各都道府県に少なくとも1箇所は設置されています。
 
労働基準監督署は事業場を定期的に監督するのはもちろんのことですが、労働者からの申告も受け付けています。申告があれば事業場に立ち入って調査を行い、違反があるようでしたら行政指導を行います。
ですから、もし職場で違反が行われているのであれば、労働基準監督署に相談するのが賢明な判断となります。